ゼロエネハウスでつくるエネルギー消費量ゼロの家

A.Imamura A.Imamura
Under the Large Roof, Atelier HARETOKE Co., Ltd. Atelier HARETOKE Co., Ltd. Modern houses
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日本政府は「2020年までにネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを標準的な住宅にする」と目標を掲げています。日本に限ったことではなく、世界の至る所で低炭素社会を目指したゼロエネハウスの推進がなされています。日常生活において無駄なエネルギーを排し節約に努めることは世界の住まい基準となってきています。今回は、そんな電気代やガス代などの光熱費を節約する環境にも家計にも優しいゼロエネハウスの住まいをご紹介していきます。

ゼロエネハウスとは?

「スマートハウス」は、太陽光発電などがつくる電力や電力会社からの電力・蓄電池に貯めた電力を、家のエネルギーとして賢くエネルギーマネジメントする住まいです。それとは異なり「ゼロエネハウス」とは、ムダを省く「省エネ」、太陽光発電などでエネルギーをつくる「創エネ」と、蓄電池に貯める「蓄エネ」、エネルギーの状態を見えるようにする「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム」を組み合わせて賢くエネルギーを活用できる住まいを指します。1年間の消費エネルギーより、住宅でつくったエネルギーのほうが多い、または差がゼロになる住宅のことです。

省エネ—断熱性能を大幅向上

「省エネ」は、断熱・気密性能・通風採光性を高め、室内温度を年中快適に保つことで、エアコンの使用頻度を低減し、また、最新省エネ機器などの導入により、無駄なエネルギー消費を抑制します。こちらのシンプルモダンなコンクリート外観でクールな印象の住まいは、断熱材を裏打ちしたFRC打込み型枠による外断熱工法を採用しており、開口部に高性能のアルミ・木複合サッシを用いることで、夏涼しく冬温かい室内環境を生み出しています。熱負荷を低く抑え、年間を通じて快適な温熱環境を実現することで、「省エネ」になります。

撮影:矢野紀行/矢野紀行写真事務所

創エネ—再生可能エネルギーを導入

創エネには、まず電気をつくるための設備が必要です。いわゆる再生可能エネルギーを利用した発電としては、風力発電や地熱発電なども開発が進んでいますが、家庭において最も一般的なのは太陽光発電システムと言えるでしょう。太陽光発電システム自体は補助金の対象外ですが、すでに普及が進んでおり設置コストも低くなっています。環境負荷が低い特性を持つ太陽光発電システムや家庭用燃料電池(エネファーム)などでエネルギーをつくります。創エネ機器や自治体によっては補助金があるので、各自治体に問い合わせてみましょう。

蓄電システムの導入

蓄電システムを導入することで、太陽光発電でつくった電力や、割安な深夜電力を蓄電池などに貯めておけるようになり、消費電力の多い日中などに使うことができます。発電した電気を蓄電池でためて不安定な電力を安定化、貯めた電気を時間帯をずらして使用できるようにすることが大きな役割です。家庭用の定置型蓄電池の主流は、リチウムイオンタイプといわれ、耐久性に優れ、約10年間は電池交換なしで使用できます。従来のものよりも充放電効率が高く、サイズもコンパクト。ゼロエネハウスの需要増加によって量産化が進み、導入コストも大幅に下がっています。また、災害時の備えとして、単独で設置するよりも太陽光発電と連携して使用することがおススメです。

HEMSでエネルギーの状態を管理

家庭で電気を「創る」「蓄える」「賢く上手に使う」ために電気機器をネットワーク上で管理、リアルタイムで利用状況を把握・コントロールするエネルギー管理システムHEMSも重要です。家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで確認したり、家電機器を自動制御したりすることで、各機器をコントロールしてエネルギーの自動制御ができ、節電を快適に行えるようにします。

パッシブハウス

設備機器だけでなく、住宅そのものの省エネ化も重要です。断熱材の性能を高めたり、窓にエコガラス(Low-Eガラス)や断熱サッシを設置すると、住宅の断熱性能が高まり、少ないエネルギーでも家全体を快適な温度に保つことができます。また建物内の通風に配慮したり、軒の出を大きくして夏の日射しを遮るといった、機械に頼らないパッシブハウスのデザインが省エネに大きく役立ちます。

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