省エネルギー住宅にしていくための6つのポイント

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
森林公園の家, HAN環境・建築設計事務所 HAN環境・建築設計事務所 Modern houses Wood Wood effect
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省エネルギー化を住宅において積極的に進めていくことが近年では当たり前のようになってきていますが、家づくりにおいて具体的にどのような点に気を付けなければならないのでしょうか。今回は、省エネルギー住宅にしていくための6つのポイントを紹介していきたいと思います。これらのポイントを抑えながら、環境にも家計にもやさしい住まいにしていきましょう!

省エネルギー住宅の第一歩は高断熱化

省エネルギー化を図る上でまず挙げられるのは、住宅での消費エネルギーの約30%を占める冷暖房の高効率化を行っていくことです。まずは、断熱性能を高めていくことで、冷暖房による消費エネルギーを抑えていきましょう。窓やサッシという開口部については、厚さが薄く自然と家の中でも最も熱の出入りがしやすい場所となりやすいため、その部分の断熱性については特にしっかりと行っていきましょう。

高い断熱性能をしっかりと発揮するための高気密化

住宅における気密性とは、空気が壁や窓の隙間から出ていかないように、室内と屋外をしっかりと隙間なく密閉することです。先程の窓ガラスやサッシの素材としての断熱性能がいくら高くても、この気密性がしっかりとしていないと、隙間風が室内に入り込み、せっかくの高い断熱性が無駄になってしまいます。同時に、しっかりと密閉された室内では空気が淀んでしまうので、効率的な換気も行っていくことが大切になります。

夏季の強い日差しを遮る日射遮蔽

夏に窓を締め切って冷房を使用していても、窓から夏の強烈な日差しが直接室内に入り込んでいては、高断熱高気密の住まいでは、その熱が室内に留まってしまいます。そこで重要となるのが、夏の直射日光の室内への侵入を防ぐ日射遮蔽です。こちらの住まいのように、深い庇を設けたり、遮熱複層ガラスや植栽による日射遮蔽も効果的です。庇については、「軒と合わせて考えておきたい庇が持つメリットまとめ集」の記事も参考にしてみて下さい。

写真:吉田誠

自然エネルギーの有効利用

自然エネルギーを家庭で有効に利用することで、省エネルギーを図っていくことも大きなポイントです。太陽光や風力を利用する自家発電はもちろんのこと、雨水の再利用や、土間の蓄熱作用を利用した放射熱など、周囲を見直すことで有効利用できる自然エネルギーは数多く見つかるはずです。

照明が必要のない明るい室内

冷暖房を利用するのは、夏と冬という期間が限られていますが、照明は季節に関係なく年中必要となり、毎日エネルギーを消費していきます。そのため、家庭で消費するエネルギーの内、30%を超える割合が照明や家電機器等に使われています。もちろん夜間には点灯させなければなりませんが、昼間の明るい時間は照明が必要ないようにしっかりと明るい室内にしていくことも省エネルギーへとつながっていきます。特に、周囲を建物で囲まれて、窓からの採光があまり期待できない住まいでは、こちらのようにトップライトを積極的に取り入れるなどして、周囲に影響されることなく日光を取り込んでいきましょう。

省エネルギー給湯システム

冷暖房や照明と同じくらいの年間の消費エネルギーの割合となっているのが、給湯によるものです。最近では色々な種類の省エネルギー給湯器が出てきているので、そうしたものを積極的に採用していきましょう。こちらの青木茂建築工房が手掛けたリノベーションでは、給湯器にエコキュートを採用しながら、断熱性の向上、屋上緑化による遮熱効果など、様々な省エネルギー対策を取り入れることで、築40年の小さなビルを見事に再生しています。このように、新築だけでなくリノベーションによる住宅の省エネルギー化も積極的に検討してみて下さい。

写真:イメージグラム

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