住空間を快適に感じる要素の一つに、空間を灯す照明の効果もあげられるのではないでしょうか。夕日が落ちて暗くなったころ、各家庭に灯る明かりにホッコリしたり、温かさを頂くことってありますよね。住宅のスタイルは様々あっても、照明の効果もそれぞれに楽しむことができます。そこで今回ご紹介するのは、堂々とした風格の和風建築に照明が空間を彩る洗練された住まいです。高岡建築研究室が手掛けたこちらの住まいは、上品で柔らかな光が空間を包む和モダンな住空間。木造の住宅の魅力を十分に引出し、味わうことのできる空間です。
比較的静かな住宅街の一角に建つ本住宅、門扉は和の趣ある重厚なもの。和風建築の味わいを楽しむことができる門扉は木格子の引き戸とその先の照明が暖かな雰囲気を作ります。何年経てもその重厚感は落ち着きを感じることができそうです。屋根瓦に漆喰の白い壁、木板張仕上げは風情を感じることができます。
夕景の中、門扉を通って庭に抜けると見えてくる建物。趣のある伝統的な門扉にちょっとした意外性、和モダンな建物が迎えます。照明によって陰影が浮かび上がって雰囲気のいい外観に。長手に伸びるテラスは庭から飛び石を伝ってアプローチ。庭をゆったり楽しみながら様々な角度から建物を眺めることができます。まさに、庭からすでに照明と建物が造る住空間を見ることができます。
玄関に踏み込むと広々とした玄関土間が広がります。入り口には乳白色のガラスによって自然光の変化を知ることができます。夕暮れ時の青白く光るガラスと、室内の照明が雰囲気のいい空間を演出。和風のお宿の玄関のようにも感じる「和」の洗練された空気を感じることができます。必要な場所に設ける光と、その明るさを共有する空間は陰影の効果を味わうことができます。
玄関脇にある広めの和室。木の質感に畳、襖と至ってシンプルな和室ですが、一つ隅に置かれた照明と天井の控えめな照度によって上品な雰囲気を放ちます。玄関土間からもダイレクトにアクセス可能な配置は、靴を履いたまま、畳の間に腰を掛けることもできます。ご近所さんやちょっとした来客、簡単な会話ならここで座って語らうこともできそうですね。