メタリックなインテリアで心地よい空間づくり

クラシックなスタイルに取り入れたいメタリックインテリアはこちら。リビングのソファやオットマン（足置き台）がメタリックな素材で縁取られています。ビロードのテキスタイルにも馴染んでおり、エレガンントな空間を演出してくれます。壁に掛けられた鏡の縁もメタリックな装飾が施されていますが、色のトーンが似ているので、統一感がありますね。ライトスタンドも鈍い光沢のシルバーです。このようにクラシックなスタイルにメタリックな素材を用いる場合は、主張しすぎない、マットな感じのメタリックを選ばれると良いでしょう。

モダンスタイルのインテリアの源流であるバウハウスの椅子には、メタルが使われているものが多いですね。余計な装飾をできる限り抑え、機能美を重要視したシンプルなデザインで、モダン、ラスティック、ミニマルなど色々なスタイルのインテリアに馴染みます。白を基調としたこちらのリビングは、洗練されたシンプルなチェアがモダンな印象を与えます。差し色のブルーや黄色も映えていますね。株式会社STANDARDがリノベーションを手掛けました。

株式会社スター・ウェッジが手掛けたのは、家族６人が暮らす、広々とした贅沢な邸宅。１階と２階を結ぶ階段も幅広で、ゆったりとしています。手すりは、メタリックな素材ですが、黒く塗装されることによって、シルバーやゴールドとは異なった表情を見せています。まるで宙に浮かんでいるかのような構造が印象的ですね。

メタリックな装飾は、他の素材では出すことのできない繊細さを表現することができます。こちらのリビングの装飾は、照明を兼ねたもので、縦に並べられた無数の細い鎖が小さな電球によって照らされています。メタリックな表面が電球の光を反射しており、とても繊細な雰囲気ですね。壁飾りには、真鍮の燭台などもお勧めです。揺らめく炎がメタリックな表面に反射し、幻想的な雰囲気を演出してくれます。

こちらのクラシックなバスルームも、金属の素材が繊細さを演出しています。まずはシンクやタスタブに設置された蛇口。蛇口と言うと、ステンレス製のシルバーのものを思い浮かべますが、こちらの蛇口は真鍮のアンティーク調のもの。蛇口が描く曲線も素敵です。そしてバスタブの足の部分や、シンク台、そして照明器具まで同系の色で、メタリックな装飾が施されています。中でも注目したいのがシンクの上に掛けられた鏡。アールヌーボー調のゆるやかな曲線で、バスルームを優雅な雰囲気に仕上げていますね。

格子や柵などに用いられることの多い金属ですが、こちらの可愛らしい建具を見ていると、「鉄格子」の認識がガラリと変わりますね。モロッコの中庭型住宅を再現したいというクライアントのために設計されたこちらのお宅。バルコニーまでがエキゾチックな趣で、星の格子の向こうに見えるのは、遠い異国の街並みであるかのような錯覚さえ覚えます。白黒のモノトーンと、メタルの組み合わせですが、少しも冷たい感じがしないのは、モロッコのスタイルをお手本にされているからでしょうか。東京都を拠点に活動する、株式会社廣田悟建築設計事務所が設計を手掛けました。

写真：satoru hirota architects