南国のリゾートホテルのようなエキゾチックでリラックスした空間のある住まいなら、日本での日常生活も一味違ったものになるはずです。今回ご紹介するのはバリのリゾートホテルにインスパイアされたというこちらの住まい。ATELIER SHIGE ARCHITECTS /アトリエシゲ一級建築士事務所によって手掛けられました。周囲環境も味方につけて、まるで南国リゾート地にいるような空間が広がります。では早速見て行きましょう。
住宅街に建つということで周囲環境にある程度馴染むような外観が考慮されました。意識されたのは横浜の赤レンガ倉庫やニューヨークのSOHOにあるような建物。ビンテージスタイルとも言えるようなおしゃれな佇まいですね。真ん中に位置する玄関を中心に二つのガレージが左右シンメトリーに配置されています。ガレージシャッターにも茶色を採用することでデザインに統一感が生まれています。
玄関を入ると造り付けられた行灯照明が家族やゲストを出迎えます。柔らかな光がぬくもりあるウッディな空間をやさしく包む、シックで落ち着いた雰囲気の玄関ですね。一階には玄関のほかクライアントの母親の居住空間が配置されています。
クライアント一家はオーストリア在住経験もあり、親子でサーフィンを愛するアクティブ家族。川と林に隣接するという立地条件を生かし、サーフィンをする人にとっては聖地ともいえるバリのリゾートホテルのような雰囲気の空間が実現されています。南側の河原に面するオープンスペースのLDK。広々としたバルコニーに面して大きな開口が設けられ、外に広がる自然を存分に満喫することができます。また勾配天井にすることでより空間に広がりが生まれています。
キッチンを望んだ様子です。キッチンは河原を向いて配置されているため、目の前に広がる景色を楽しみながら料理をすることができます。キッチンカウンターの周囲には大きな造作テーブルが配され、家族で仲良く食卓を囲むことができるようになっています。
LDKの横にある座敷、およびホールは普段は開放され、LDKとつながる一体的な空間として使用されていますが、冷暖房使用の際には引込戸を閉めることができるようになっています。また座敷照明にある小窓を開放すれば奥にある部屋とのつながりができ、より良い通風が確保できるように工夫されています。
光や風を通し、より明るくひろがりのある空間をもたらすスケルトン階段を上った床も光や風を通すデッキとなっており、冬の間は洗濯乾燥に重宝される場所です。
LDK吹き抜けに面しているのは空気がシーリングファンも配されたサーキュレーションするための空間です。シーリングファンはインテリアとしてだけでなく、省エネにもつながるアイテムです。冷暖房の効率を上げ、また冬場の洗濯乾燥にも役立ちます。全体的にアンティークな雰囲気のどこか懐かしさ漂うインテリアも素敵ですね。