暖炉は、冬を快適に過ごすためにリビングに取り入れてみたいアイテムのひとつではないでしょうか?火という取り扱いに気を付けなければいけないものではある反面、暖かさを視覚からも感じられるため、近年人気も高まっているといいます。では、リビングに暖炉を取り入れる際、気を付けたいことはどんなことでしょうか?今回は、いくつかの実例を見ながら、押さえておきたいポイントについて考えていきます。
リビングは家族が集まる場所。原始の昔から、人間は火とともに暮らしてきました。住まいの形が時代とともに変化し、電化住宅も増えてきましたが、火というエレメントの魅力を家に取り入れたいというご家庭が増えてきてもいるようです。暖炉は寒くて暗い冬を心地よく過ごすためだけでなく、火を囲んで語らう場としても活躍します。また、薪ストーブのようなものであれば、調理もできるという、ひとつで何役もこなしてくれる優れものです。ご自宅にもひとつ、取り入れてみるのはいかがでしょうか?
暖炉をリビングに取り入れる場合に、まず考えていかなければならないのが、設置場所。デザインによっては壁に接する形で置くものもありますが、薪ストーブのような据え置き型のものでは、熱が四方に発散するため、部屋の真ん中に置くと、効率よく室内を温めることが可能になります。もちろん、そうした場合にはLDK空間のレイアウトにも左右してくるため、新築やリノベーションの時点で考えておく必要がありそうです。
火を使った暖房器具を使用した経験がある方はお分かりかと思いますが、暖炉からはかなり高い熱が発せられています。そのため、設置する際にはその周辺の素材などにも考慮する必要があります。熱が発せられる場所から近い床や壁には、耐熱性の高い素材を取り入れましょう。天然石やレンガは、見た目の美しさだけでなく、蓄熱性にも優れているため、火が消えた後でもしばらく暖かく保つことが可能になります。
【断熱材については、こちらの記事でも紹介しています】
火を眺めることは、ただ視覚的にも暖かさを感じるだけでなく、リラックス効果が期待でき、また一緒に過ごす人との距離が縮まるといった心理的効果があると言われています。そのため、こうした効果を期待するのであれば、リビングで寛ぐポジションから炎が見えるようにレイアウトを考えていくといいですね。こちらは長浜信幸建築設計事務所の手がけたお宅のリビング。L字型に造作されたソファから火を眺められるようになっています。
Photo: 黒住直臣
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています◀
暖炉や薪ストーブのデザインはかなり多岐にわたるもの。伝統的な形のものから新素材を使ったモダンでシンプルなものまでいろいろありますが、インテリアのテイストに合わせて選んでいきたいですね。こちらでは、白い壁の空間にグレーの床が施されており、それに合わせるように天然石のタイルで作られた暖炉が設置されています。蓄熱・耐熱効果を考慮した壁にも同じ素材が使われているため、とてもまとまりがあってスタイリッシュです。