広い緑の芝生の上に似たような二軒の家が並んでいます。歴史が積もったような石造りの壁が魅力的な左側の家と、なめらかな木材の表面が新しい匂いを発散するような、生まれたばかりの右側の家。イギリスの建築事務所Hall + BednarczykArchitectsは、一つの場所に二つの異なる時代を表現する建物を互いに調和させ、不思議な魅力を作り出しました。自然を近くに感じられるよう、石や木など天然素材の外装材を使用し、生活の利便性を高めるために、古い住宅の室内はリノベーションされました。童話の中に出てくるような古い家の室内は予想と異なり、新しく建てられた家に劣らない機能的なインテリアとなりました。
ゆったりとした緑の芝生の上に建つ二軒は、 大きなガラスの開口部を介して屋外がよく見える構造を持っており、庭の緑をいつでも鑑賞することができます。 人工物の無い広い芝生の周りには木々が豊かに茂っており、二軒の家を包んでいます。
左側の家に近付くとまるで童話の一場面のような入口があります。 低い石垣には草花が育ち情緒に溢れていますね。 手入れの行き届いた庭園のカーブした小径を歩いて行くと、可愛らしい窓と玄関ドアがお出迎え。 建物左端のガラスと組み合わされたドアが新しい右側の家を意識して。
1階にあるキッチンとダイニングルームは、庭園に面した壁全体をガラス張りに。 テラスの床は大きめのタイルを敷いて仕上げました。室内と室外の床が似たような素材で作られ、しかも高低差がないのでダイニングルームの延長として使用可能なテラスです。
こちらは8人以上が着席可能な大きな木製テーブルを中心としたキッチン&ダイニングルームです。 すっきりとした白い壁とビルトインキッチンで明るく広々とした空間に。 壁面にはサイズの揃った黒フレームのアートが並べられ整頓された印象に、そして天井から長く下げられたテーブル上の照明がポイントとなっています。窓枠は 石の壁とよく似合い、モダンな感性を表現することができるマットな黒メタル素材のフレームを使用して、三枚で構成されたスライドドアとしての実用性を高めました。
建物の古風な面影は室内のあちこちで見つけることができます。壁面にビルトイン家具を設置し、階段を利用して装飾的な効果をプラス。 木の色とよく似合うほのかな黄色の照明が、さらに温かみのある室内に。
廊下は両面いっぱいに本を収納しできるようビルトインの本棚を設置しました。 床から天井までいっぱいに満たしてくれるビルトイン家具は、収納可能な使用面積をさらに広げ、小さなスペースも無駄にしません。
屋根の形状に沿った天井を持つこちらは寝室。 部屋の構造自体が様々な線と角度で構成されているので、装飾は最小限に減らし空間の形を強調しています。 深い色味のフローリングが生かされる白で統一した天井と壁、そして壁面すべてを収納にし、家具を置かず部屋をさらに広く利用できるようになっています。
日差しが差し込む小さな部屋には1人掛けの椅子を並べて。 本を読むのにぴったりな居心地の良い快適な部屋です。本の世界に没頭できそうですね。